BUYMAにおける"UXリサーチ"のすすめ

こんにちは、UIUXデザイナーの和田です。

この記事は Enigmo Advent Calendar 2022 の18日目の記事です!

弊社では、BUYMAのサービスやアプリ・WebサイトのUIUXをよりよくしていくことを目的に、 「より深くユーザーを理解して」「ユーザーにとって価値のある体験」を届けていくために、UXリサーチに基づいた改善に力を入れています。

今回は、BUYMAの顧客理解のために進めているUXリサーチの取り組みについてご紹介します。

【1】ユーザーセグメント分類|User Segmentation

BUYMAの会員について、RFMの指標をベースに「利用頻度軸(Recency&Frequency)」「価格志向軸(Monetary)」「年代軸」 からユーザーセグメントの分類を進めています。

【各セグメントのボリューム】を把握して、主要なセグメントにおけるユーザーの購買傾向や利用傾向について、 視覚的に捉えられるようにLookerのツール整備をデータアナリストとUIUXデザイナーが協働で実施しています。

利用頻度軸(Recency&Frequency)

全体の購買傾向から適切な閾値を検討して、「利用頻度」と「直近の利用傾向」からセグメントの分類を進めています。

価格志向軸(Monetary)

ユーザーにおける純粋な生涯累計購入金額で分類するのではなく、「どのくらいの価格帯のアイテムを中心に購入しているか?」「どんな価格帯のアイテムに興味関心が高いか?」という観点で、F0ユーザーやF1-2といった利用歴の浅いユーザーについても価格(購買行動)に関する志向を把握できるように分類を進めています。

年代軸

年代については、生活スタイルや行動特性の異なりを考慮して分類しています。

上記の3つの軸を考慮して、【社内で主要なセグメントのユーザーモデルについて共通理解できるようにすること】を目標にユーザーセグメントの調査・分類を進めています。

また、これらの定量的なユーザーセグメントの分類をもとに、 【2】や【3】の定性調査を進めることで、各セグメントのよりリアルな価値観・行動特性、UXに関する課題を把握して、具体的な改善を進められるようにしています。

【2】ユーザーアンケート|User questionnaire

弊社では、主にGoogleフォームを用いてユーザーアンケートを運用しています。

主に以下のような手順で、【1】のユーザーセグメント分類をベースに、UXについて深堀り調査したいセグメントに絞ってアンケートを実施しています。 アンケートは、メールやLINEによる配信や、Webサイト上にアンケート募集バナーを出すなど、対象のユーザーセグメントに合ったタイプで実施するように心がけています。

アンケートの計画・実施手順

  1. アンケートのリサーチ目的・検証内容の整理

  2. 配信対象者の選定

  3. アンケート設問の設計、Googleフォームの作成

  4. アンケートの配信・公開

  5. インセンティブ(謝礼)の付与

  6. アンケート結果まとめ・共有・ふりかえり

【3】のユーザーインタビューを前提に、 設問の中でインタビューに協力いただける協力者を募るかたちでアンケートを実施することもあります。

会員向けのユーザーアンケートでは、会員データと紐付けて分析できるようにしているため、 ユーザーセグメントやユーザーの購買傾向・利用傾向を踏まえて、ユーザーインタビューにご協力いただきたい方を選定させていただくようにしています。

また、細かく検証したいUXについての設問をアンケートに用意することで、 アンケート回答内容から「あらゆる価値観や行動特性を持つユーザー」に対してインタビューが実施できるように工夫しています。

【3】ユーザーインタビュー|User Interview

ユーザーインタビューは【2】のユーザーアンケートから、UXについてより深堀りして調査したい場合に実施しています。

近年のインタビューは、すべてオンライン(Zoom)を用いたインタビューとさせていただいており、さまざまな地域からご参加いただいています。

インタビューは約60分間で実施しており、 ユーザーの価値観や行動特性(日頃の行動や嗜好など)からインサイトを深堀りしていく

【 A. ユーザーモデリング型の設問 】と、

過去の体験やこれから行いたい事柄を実際の画面を用いてシミュレーションいただきつつ、 その様子を観察・フローに沿ってUX(そのタイミングにおける思考やペイン・ゲインなど)について深堀りしていく

【 B. UX検証型の設問 】の2つから構成しています。

インタビューの主な計画・実施手順について、ご紹介します。

インタビューの計画・実施手順

  1. インタビューの目的・ヒアリングポイントの整理

  2. インタビュー候補者選定*1

  3. インタビューシナリオの作成

  4. インタビュー打診・調整、スケジュール作成

  5. 個別インタビューシートの作成

  6. ユーザーインタビューの実施

  7. インセンティブ(謝礼)の付与

  8. インタビュー結果まとめ・共有・ふりかえり

ユーザーインタビューの前に、ユーザーそれぞれの「個別インタビューシート」を用意するようにしています。

「プロフィール」や「購買傾向」、「利用傾向(お気に入りや登録年など)」、「購買や問い合わせの履歴」、「アンケートの回答」などを細かくまとめたシートとなっており、 基本的なインタビューシナリオに基づいたヒアリングの中で、インタビュー対象者それぞれに合ったヒアリングをできるように工夫しています。

また、「インタビューの記録」についても同一シート内に収めることで、ユーザー単位で俯瞰できるようにして「傾向の把握」や「振り返りしやすいかたち」にしています。

弊社では、定期的にユーザーインタビューを実施させていただいております。 今後も、ユーザーインタビューを通じて定量的な数値からは読み取ることが難しいさまざまなペインや気付きを得ていきたいと考えています。

さいごに

弊社では、UXリサーチから導いたUXにおける課題(AS-IS)から、施策・企画(TO-BE)を検討して、日々サービスとUIUXの改善に取り組んでいます。

仮説通りの効果が得られているのか確認してよりよいかたちにしていくために、ABテストの活用や効果検証を実施して細かいアップデートや方向修正もおこなっています。

UXリサーチを通じて「より深くユーザーを理解して」「ユーザーにとって価値のある体験」を届けられるよう、 BUYMAのサービス・UIUXの改善にご期待いただけますと幸いです。

明日の記事の担当は サーバーサイドエンジニア の 平井 さんです! お楽しみに。


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*1:【2】ユーザーアンケートにて、インタビュー協力者を同時に募るようにしています