こんにちは、データアナリストの井原です。
この記事はEnigmo Advent Calendar 2024の9日目の記事です。
私は、普段データアナリストとしてエニグモで働いています。データからビジネスの意思決定を行うための示唆を出し、関係者に正しく伝えることが主要な業務です。
最近、チームの勉強会でも話題になったのですが、データアナリストは伝え方って大事だよねという話がありました。その場ではさらっと話が進んだのですが、確かに、データアナリストはいつもポジティブな結果ばかりを伝えるわけではありません。企画者が苦労をしてリリースにこぎつけた施策で、結果も期待されていてという状況で、数字がよくなかった、または、懸念点が上がってきたということも多いです。
この記事では個人のこれまでの経験を振り返って、ネガティブなことを伝えなければいけない時に、どのようなことに気をつけたらよいかを考えてみたいと思います。
この1年を振り返ってみても、結果を伝えにくいと思う案件はいくつかありました。「事前検証ではそれなりに効果が出そうであると(自分が)押した案件が、蓋を開けてみると効果はかなり微量だった。」「これまで重点的に企画が行われてきた施策について、利益性が低そうだと伝えなければいけなかった。」などなど。
そんな自分の経験を通して、どんなことに気を付けるとよさそうか、5つ洗い出してみました。挙げてみた要素はあくまでも個人の意見ではありますし、自分も常にうまくやれているわけではないのですが、自戒もこめて書いていきたいと思います。
1.言いやすい関係性を作っておく
いきなり、そもそもといった内容にはなりますが、元々の関係性はかなり重要な要素だと思います。 これは、言う側だけでなく言われる側の身を想像しても、それまで関係性の薄い第三者から言われるよりは、自身の取り組みを知ってくれている人の方が受け入れやすくなると考えられます。
そのためには、可能な限り、企画の段階でデータアナリストも企画に入っていけるようにするとよいと思います。また、分析の時点から入らざるを得ないとしても、こまめに質問や進捗を伝えるなどして、コミュニケーションを増やしておくといざという時には伝えやすくなります。
巨大な組織だと難しいところもあるかもしれませんが、エニグモは比較的少人数の組織なので、その辺りはやりやすい気はしています。
2.言葉遣いに気を付ける
当たり前ではあるのですが、伝える時の言葉遣いは気を付ける必要があります。特に意識をしていないと、さらっと否定的な言葉が(そこまで否定的だと意識せず)つい出てしまう場合があります。
例えば、「意味がない」とか「ダメですね」のような全否定の言葉は使わないように自分は気をつけます。「この数字だとちょっと厳しいかもしれません」や「想定と違うかもしれませんが、どうですか?」のような、相手と会話していく姿勢を出すだけでも建設的に話せるのではないかと思います。
前項とは反対になりますが、言いやすい関係を作りすぎてしまうと、ぽろっと否定的な言葉も出やすくなってしまう(気軽に話せるので言葉を意識しなくなりやすい)側面もあるので、この辺りはバランスを考えてうまく調整出来るとよいのではないかと思います。
3.最初に「言いづらい結果なのですが」と言ってしまう
これはテクニック的な話ではありますが、会議の最初に言ってしまうと、言う方も聞く方も受け入れる準備が出来るので楽になるのではないかと思います。あるいはタイミングがあれば、「今分析しているのですが、厳しい結果が出るかもしれません」と雑談的に話しておくのもよいでしょう。
根本的にはもう少し他の項目の方が大事ではないかとも思いますが、相手に結果を受け入れてもらうということも、アナリストの重要な仕事の一つです。こういった地味なテクニックを意識しておいて損はないと思います。
4.相手に労いと尊敬の気持ちを持つ
言葉遣いなどに繋がる話ですが、施策を進めているメンバーはその企画に対してかけた労力や思いがあります。その労力や思いに対しては、労いと尊敬の気持ちを持つことが大事です。
相手の企画に対しての思いを知る過程で関係性も作れると思いますし、言葉遣いも下手な言葉遣いはしにくくなると思います。例えば、相手が大切に思っていることに対して、「意味ないよ」などとは、ある程度の良識があれば言いにくいですよね。
5.それでも遠慮はしない、自分の分析結果には自信を持つ
相手を思いやることは大事だと思いますが、一方で、データアナリストとして伝えるべきことは伝えなければなりません。 そのため、最終的には自分の分析結果に対して自信を持つことも大事です。
伝えづらい分析結果が出てきた時、多くの分析者は分析内容を振り返ったり、よさそうな点を見つけようとデータをさらに詳細に区切って細かい分析を行ったりなど、よくあるのではないかなと思っています。しかし、持てる知識をフル活用して分析を行った結果なのであれば、下した結論がネガティブな内容であっても、それはしっかりと伝える必要があります。
伝え方自体は上で書いたように気を付ける必要がありますが、結論はしっかりと相手に伝わるように、準備できればよいと思っています。
おわりに
自分の一年間を振り返りつつ、ネガティブなことを伝えなければならない時に気を付けていること(きたこと)を洗い出してみました。 世の中には、データから新しい知見を発見して、それを活用して成功しました!というポジティブな話が多いと思いますが、現実のデータ分析では、新しい発見やポジティブな結果が確認できることばかりではありません。むしろ、特に目新しくない結果、ネガティブな結果が出てくる方が多いと思われます。
データアナリストという立ち位置は、時に第三者的な視点での意見が求められる職種ですので、データの解釈は冷静に客観的に行わなければなりません。しかし、それを伝えるところまで責任を持つという点では、合理性や客観性以外の人情的なコミュニケーションも必要になってくると思います。
少しでも、今回の話がデータを取り扱う方々の参考になったら幸いです。お読みいただきありがとうございました。
明日の記事の担当はエンジニアの後藤さんです。お楽しみに。
株式会社エニグモ すべての求人一覧