はじめに
こんにちは!エニグモの採用広報担当です。
本記事では、現在のプロダクト開発チームの体制や組織を横断した意思決定の仕組み、そしてAI駆動開発をはじめとする現在のエニグモの開発環境について紹介します。
エニグモが前回、開発組織の変更発表を行ったのは3年前の2023年のことです。 当時は『チームトポロジー』の考え方を取り入れつつ、Domain・Squad・Chapterをベースとした体制へと大きく転換しました。 それから約3年、生成AIをはじめとするテクノロジーの劇的な進化に伴い、開発スタイルや組織に求められる役割も目まぐるしく変化してきました。
今年2026年4月には、サービスエンジニアリング本部 部長の木村より、今後目指していくエンジニア組織のビジョンを発表しています。 (参考:AI駆動開発とベンチャー回帰で創る次世代エンジニア組織)
今回は、前回の記事を3年ぶりにアップデートし、掲げられた「AI駆動開発」や「フルスタック・フルサイクルな開発」を、現在の組織・開発体制の中でどのように実現しているのか、その具体像をお伝えします!
エンジニアが所属する組織について
サービスエンジニアリング本部(以下、SE本部)は、エンジニアが所属する部署で、大きく以下の3つのグループで構成されています。
- アプリケーション開発グループ:主力事業である「BUYMA」をはじめとしたプロダクトの機能開発を担当
- AIテクノロジーグループ:AI・データ基盤・機械学習・検索などの専門領域を担当
- インフラグループ:インフラ・セキュリティ領域を中心にプロダクト開発を支援

ここからは、実際の開発体制について詳しく紹介します。 エンジニアはいずれかのグループに所属していますが、日々の開発業務をグループ単位の縦割りで行っているわけではありません。実際のプロダクト開発では、所属グループの枠を越え、事業ミッションや専門性に応じてチームを組みながら活動しています。
プロダクト開発体制
BUYMAのプロダクト開発体制は、事業やユーザーへの提供価値を軸とした「Domain(ドメイン)」「Squad(スクワッド)」と、技術領域を軸とした「Chapter(チャプター)」という3つのチーム単位を設けています。
これらを独立した組織として分けるのではなく、エンジニアはDomain/Squadで事業課題に向き合いながらプロダクト開発を進め、同時にChapterを通じてチームを越えた技術的な取り組みも行う、マトリクス型の体制をとっています。
(※AIテクノロジーやインフラなど専門領域のメンバーは、このDomain/Squadでの開発を横断的に支援するチームとして機能しています。詳しくは後述します。)
それでは、マトリクス型の開発体制を構成するDomain/Squad/Chapterについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
■Domain(ドメイン)
Domainは、BUYMAにおける事業・ユーザーへの提供価値を軸に設定された開発領域です。
各Domainには、エンジニアだけでなく、ディレクター、データアナリスト、デザイナー、ビジネスサイドなど、さまざまな職種のメンバーが所属しています。共通のミッションや事業KPIを持ち、職種を越えて事業課題に向き合いながらプロダクト開発を進めています。
現在は、すべてのDomainがユーザーに直接価値を届ける「ビジネスミッション」を持つ体制への転換を進めています。
そのためエンジニアも、担当する機能を開発するだけではなく、事業KPIやユーザーへの提供価値を意識しながら、プロダクトや事業成果により深く関わることができます。技術だけでなく、事業視点を持ってプロダクト開発に携われることも、Domain体制の特徴です。
BUYMAには現在、以下の3つのDomainがあります。
BUY Domain ミッション:購入者を強力に吸い上げ、集客とCVRを最大化する。 主なカバー範囲:会員登録、商品詳細、購入リスト、レコメンド、クーポン、広告、特集ページ、カート、商品レビューなど。
SELL Domain ミッション:世界中から商品を力強く吸い上げ、品揃えを最大化する。 主なカバー範囲:出品ページ、出品リスト、受注リスト、商品画像、お問い合わせ、タイムセール、ショップ連携など。
SERVICE INFRA (SI) Domain ミッション:決済や安心補償などの機能を提供し、ユーザーへの提供付加価値を最大化する。 主なカバー範囲:決済連携、物流(配送・倉庫連携)、入金関連、セキュリティ関連など。
※大型キャンペーン対応、商品画像施策など、複数Domain横断のプロジェクトもあります。
■ Squad(スクワッド)
各Domainは、事業ミッション達成に向けて複数のSquadで構成されています。
Squadは、具体的な事業課題やプロジェクトを軸に組成され、その達成に必要なシステム開発にオーナーシップを持つチームです。 例えば、BUY Domainには「集客・流入Squad」「CVR Squad」、SI Domainには「配送Squad」などがあり、それぞれのテーマに沿って開発を進めています。 各Squadにはチームをリードする「Squad Lead」が存在し、要件の設計やタスクへの落とし込み、プロジェクトマネジメントなどを担います。 また、Squadでは設計・開発・テスト・リリースから運用・不具合対応まで、開発ライフサイクルを一貫して担当します。実装して終わりではなく、リリース後のユーザーの反応やデータを見ながら継続的に改善し、プロダクトを育てていけることも、Squadで開発する面白さのひとつです。
■ Chapter(チャプター)
Chapterは、特定の専門領域を担当するメンバーが、Domain/Squadを横断して活動するチームです。
メンバーはそれぞれのSquadでプロダクト開発を行いながら、Chapter活動として技術的な改善や基盤整備にも取り組んでいます。
- Frontend Chapter:フロントエンド領域を横断し、プロダクトの品質向上、パフォーマンス改善、計画的なバージョンアップやリファクタリングなどを担当
- モバイルアプリ Chapter:iOS・Androidアプリ開発を担当。各Domainの企画段階から参加し、アプリ領域の開発を横断的にリード
- QA Chapter:サービス品質の維持・改善をミッションに、上流工程からプロジェクトに参加。自動テストの導入や本番不具合の分析・対策など、横断的な品質向上を推進
事業やプロダクトに向き合うDomain/Squadでの活動と並行して、専門領域を軸とした技術改善にも取り組めることが、Chapterを設けている特徴です。
プロダクト開発を支えるチーム
Domain/Squadでのプロダクト開発を、技術や開発環境の面から横断的に支えるチームもあります。
Application Platform、AI Technology、Infra、DX、DevRelの5つのチームが、それぞれの専門性を活かしながら、ソフトウェア基盤の改善や開発環境の整備、組織づくりなどに取り組んでいます。
Application Platform
各Squadに共通する技術的な課題や、Squad単独では対応しづらい課題を横断的に解決し、開発全体の生産性を高めることをミッションとしています。
具体的には、言語・ライブラリ・フレームワークのバージョンアップ、AWS化に向けたアプリケーション修正、疎結合化・モジュラー化・マイクロサービス化などのアーキテクチャのモダナイズ、サービスの信頼性強化(SRE活動)などに取り組んでいます。
複数のSquadに関わる中長期的な技術課題やアーキテクチャ改善に取り組めることも、このチームの特徴です。
AI Technology AI・データ基盤・機械学習・検索など、データ領域の専門知識が必要となるシステムについて、設計・開発から運用までを担当しています。 データサイエンティスト、検索・MLOpsエンジニア、データエンジニアなどのスペシャリストが所属し、開発初期の設計・開発フェーズからSquadと密接に連携してプロジェクトを進めています。 専門性を活かしながら、AI・データ技術を実際のプロダクト開発につなげていけることも、このチームの特徴です。
Infra インフラ・セキュリティ領域の専門知識が必要となるシステムについて、設計・構築から運用・監視までを担当しています。 BUYMAのオンプレミス環境からAWSへの移行後の運用や、Kubernetesクラスタの構築・運用および開発支援、サービスのセキュリティ強化などに取り組んでいます。
※以下2つのチームは、専任メンバーでのチーム組成ではなく、他チームのエンジニアが開発業務を兼任して活動しています。プロダクト開発だけでなく、自分たちの手で「開発者体験」や「エンジニア組織の文化」を作っていけるのがエニグモの特徴です。
DX Developer Experience(開発者体験)の略で、開発者体験の維持・向上をミッションとしています。 主にBUYMAのローカル開発環境やCI/CDツールの整備などに取り組んでいます。
DevRel Developer Relationsの略で、社内エンジニアの技術力向上や知識共有、交流促進を目的として、社内LT・勉強会を企画・運営しています。 また、テックブログや対外イベント、カンファレンス協賛などを通じた技術広報にも取り組んでいます。
エンジニア組織の意思決定
ここまで、プロダクト開発を担うチームと、それを支えるチームについて紹介してきました。 複数のチームが連携してプロダクト開発を進めるSE本部では、すべての意思決定を一か所に集約するのではなく、チームを横断して情報共有や組織課題について議論する場を設けています。

■ Committee
SE本部における組織運営や意思決定を担っています。 すべての意思決定を部長一人に集約するのではなく、内容に応じて部長が判断するもの、マネージャーを含めて議論・判断するものを分けながら意思決定を行っています。 また、特定のテーマについては分科会を設け、その領域を担当するエンジニアも議論に参加しています。
役職者だけで組織や技術に関する議論を完結させるのではなく、テーマに応じて現場のエンジニアも意思決定に関われることが、SE本部の組織運営の特徴です。
■ Squad Weekly
各SquadやChapterの状況共有や、チームを横断するアジェンダについて相談するSE本部の定例ミーティングです。
部内での情報共有や、各チームから上がってきた課題について相談・解決することを目的としています。 必要に応じて、本定例で扱われた内容を部長から役員や他部門長へ共有しています。 チーム単独では解決しづらい課題も、組織全体で素早くフォローアップできる透明性の高い環境を作っています。
エニグモならではの開発環境の魅力
ここまで、SE本部の組織・開発体制について紹介してきました。 エニグモではAIを活用した開発を進めるとともに、特定の技術領域や所属チームにとらわれず、一人ひとりのエンジニアがカバーする領域を広げていくことを目指しています。 ここでは、エニグモが目指すエンジニア像と、実際にどのような挑戦の機会があるのかをご紹介します。
■ 大規模なグローバルCtoCサービスを開発できる
BUYMAは20年以上にわたり運営を続け、1200万超えのユーザーを抱える、グローバル×CtoCの大規模プラットフォームサービスです。 多くのユーザーが利用するサービスだからこそ、安定したサービス運営を続けながら、新たな機能開発や改善を進めていく必要があります。 また、ユーザー数が多いため、施策の効果が数値として現れやすいことも特徴です。 新機能のリリース後には、A/Bテストやデータ分析を通じて成果を検証し、次の改善につなげています。 トラフィック量や扱うデータも大きく、スケーラビリティやパフォーマンスなど、大規模サービスならではの技術課題にも向き合いながら開発を進めています。 長く続くサービスを安定して運営しながら、ユーザーの反応やデータをもとにプロダクトを改善し続ける。こうした開発に携われることも、エンジニアとしての醍醐味です。
■ AI駆動開発を前提に、フルスタック・フルサイクルへ
SE本部では、AIを開発プロセスに取り入れ、AIを活用することを前提とした開発を進めています。 AIの支援によって技術領域を越えて知識を得たり、これまで専門外だった領域の開発に取り組んだりしやすくなったことで、エンジニア一人ひとりがカバーする領域を広げる「知識のフルスタック化」を目指しています。
実際に、バックエンドを主な専門領域としてきたエンジニアがフロントエンドの開発を担当するなど、これまでの専門領域に閉じずに開発を進めるケースも生まれています。 今後は技術領域だけでなく、企画から設計、開発、運用まで、個人やチームがより広い範囲でプロダクトに関わるフルスタック・フルサイクルな開発を進めていきます。 目指しているのは、AIを活用しながら自身の専門性を広げ、単独でもユーザーへの価値提供を進められる「PM兼アーキテクト」として振る舞えるエンジニアを増やしていくことです。
▼AI駆動開発については、以下の記事で詳しく紹介しています。 「AI駆動開発とベンチャー回帰で創る次世代エンジニア組織」
■ チームや事業を越えて、経験の幅を広げる
SE本部では、所属するDomainやチームを固定的なものとはしていません。 組織の状況や本人の希望などに応じて、別のDomainやチームへ異動するケースもあります。
例えば、AI Technologyからアプリケーション開発に関わるチームへ異動したり、アプリケーション開発からApplication Platformへ活動の幅を広げたりするなど、これまでの経験を活かしながら新たな領域に挑戦する機会があります。
また、通常の開発業務と並行して、DXやDevRelの活動を兼務することもできます。 プロダクト開発だけでなく、開発者体験の向上、社内の技術力向上・知識共有、社外への技術発信など、自身の関心に応じてエンジニア組織づくりにも関わることができます。
さらに、BUYMAだけでなく、新規事業やグループ会社のサービス開発にプロジェクトベースで携わるケースもあります。
BUYMA TRAVELをはじめとするグループ会社のサービスや、新規事業のサービス開発・基盤構築を担当するなど、BUYMAにとどまらず、エニグモグループのさまざまなサービス・技術領域に関わる機会があります。
まとめ
今回は、2026年現在のエニグモのエンジニア組織・開発体制についてご紹介しました。
Domain/Squadを中心としたプロダクト開発、専門領域を横断するChapter、そして開発を支える各チームが、それぞれの役割を持ちながら連携して開発を進めています。
また、AI駆動開発を前提に、これまでの専門領域にとらわれずフルスタック・フルサイクルにカバー範囲を広げたり、チームを越えた兼務や異動、新規事業・グループ会社のプロジェクトに携わったりと、エンジニアとしてさまざまな領域に挑戦できる環境があります。
エニグモでは、一人ひとりのエンジニアが自身の専門性を活かしながら、新しい技術や領域にも挑戦し、プロダクトや事業への価値提供の幅を広げていくことを目指しています。
そんなエニグモの開発組織に少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひ私たちと一緒に、これからのプロダクトや開発組織をつくっていきませんか?














