はじめに
RubyKaigiが2019年以来の現地開催となり、2022年は三重県津市で行われました。
今年は現地と配信のハイブリッド開催であり、弊社から2名が現地参加、4名がオンラインで参加しました。
過去の参加記 tech.enigmo.co.jp
本ブログには2017年の記録しか残ってないのですが、2019年まで毎年現地参加し、スポンサーをしている年もあります。
では、現地参加したメンバーとオンライン参加したメンバーそれぞれが感じたことを紹介します。
現地参加編
エンジニアの橋野です。新卒エンジニアとして4月からenigmoに入社しています。
詳しくはこちらの入社エントリをご覧ください。
オフラインでおこなわれるカンファレンスは、初参加でしたのでとても楽しみにしていました。
初の現地開催参加という目線でレポートしていきたいと思います。
印象に残ったセッション
Ruby Committers vs The World
数々の名言が残ったセッション。コミッターの方が自由に議論していてワクワクしました。Rubyコミッターの方々が身近に感じられてとても楽しかったです。Why is building the Ruby environment hard?
共感できることの多い発表でした。"ソフトウェアは何もしないと壊れる"しっかり胸に刻んでおきます。The Better RuboCop World to enjoy Ruby
RuboCopに苦しめられないための提案がとてもいい案だと思いました。楽しくRuboCopを使っていきたい...! スライドの挿絵がMidjourneyを使っていて、檻に閉じ込められたrubyが忘れられません。
感想
津駅に降り立ったのは人生初で、お昼ご飯や夕飯、スポンサー企業の方々からいただいた食べ物を通して三重に来たんだな〜〜!と主に食べ物で実感ができました。笑
また、会場には無料Wi-Fiがあり、コメントやメモがとても捗りました。駅からも少し距離があったのですが、シャトルバスを出してくださったのでとても便利でした。スポンサー企業の皆様、ありがとうございます。
宿泊したホテルでは、同行者のstevenさんがエンジニアらしい数字?の404号室を引き当てていました! 最終日には、転職ドラフトのブースで404チャレンジというガチャガチャをしました。わたしはターミナルのピンバッチが当たったのですが、stevenさんはなんと404のピンバッチを見事当てていました。
会場には各地から集まった参加者がたくさんいて、こんなにもRubyを好きな人たちがいるんだということを感じることができました。ここにいる人たちはほとんどRubyを書いているということに感動しました。 また、休憩時間には普段なかなか交流ができない同世代のエンジニアとお話しができ、とても有意義に過ごすことができました。
普段あまり触れることのない技術の話も聞けて楽しかったです。
RubyKaigi運営のみなさん、スポンサー企業の方々、Rubyistのみなさん、本当に素晴らしいカンファレンスに参加させていただきありがとうございました!
オンライン参加編
新卒2年目の岡本です。主にBUYMAの出品者向け機能を開発しています。
Rubyの存在を知って5年ほど経ちますが、RubyKaigiに参加するのは今回が初めてです。
印象に残った発表
3日間、各セッションいずれも楽しませていただきました。個人的に印象に残っているのが以下です。
- Ruby meets WebAssembly1
- Building a Lightweight IR and Backend for YJIT2
- ruby/debug - The best investment for your productivity3
- String Meets Encoding4
Wasm対応について、WebブラウザでRubyが動くことに感動しました。irbがブラウザで動いている…
デモの紹介は明快で、聴衆を引きつけた上で内部の実装の解説をされていて素晴らしいと思いました。RubyをWebAssemblyに変換する上で大きく3つの障壁5があり、それをAsyncifyという非同期処理を実現するアルゴリズムによって問題を解決しているとのことでした。
またCookpadさんが提供されているCookpad Code Puzzle for RubyKaigi 2022
にもWasmが取り入れられているようです。私はこれを書いている時点でfunc20まで解けていないのですが…解けると楽しいです。
ruby-puzzles-2022.cookpad.tech
String Meets Encoding
の発表について、業務でCP932
を扱ったりテキストをエンコードする場面によく出くわすので発表を楽しみにしていました。stackprofやperf、lldbを用いてRubyでのstring encoding処理でボトルネックになっている箇所を探索していく課程を垣間見れて大変勉強になりました。最終的にPRも作成されています。6
YJITやruby/debugは使ったことがなかったのですが、セッションを聞いて面白いと思ったのでアプリケーションに導入してみたいと思っています。
参加した感想
1.Rubyの開発の第一線に立つエンジニアの話を聞くのは刺激になる
Rubyだけでなく普段使っている各種gemの作者・コミッターの方の発表をオンタイムで聴くとワクワクしました。またkateiさんのような才能あふれる方を見ると自分も頑張らないといけないと思いました。
2.オンラインだと落ち着いてメモがとりやすい
自宅からの参加ということで、外部キーボードとモニターに接続した状態で発表を視聴していました。2画面以上の環境で発表を聞きながら検索をしたりGitHubのissue/PRを閲覧できたので情報の摂取効率は高かったと感じています。(個人の感想)
3.ハイブリッド開催は大変
配信トラブルにより2日目の発表が一部聞けなかったのですが、スタッフの皆様の多大なご尽力のおかげで各セッションを楽しむことができました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
4.コンピュータ何もわからん
Alan WuさんのYJITに関するセッションにおいて、バックエンド/フロントエンドという話題が上がりましたが、WebアプリケーションではなくCPUアーキテクチャにおけるそれでした。CPUの基本動作において、フェッチからデコードがフロントエンド、命令実行がバックエンドと言うらしいです。知らんかった…
最後に
2023年のRubyKaigiは長野県松本市で開催される予定です。2020年に現地開催されるはずだった松(Matz)本の地でRubyistの皆さんとお会いできることを楽しみにしています!信州そばいっぱい食べましょう!
お知らせ
弊社エニグモは2022年10月21日、22日に開催されるKaigi on Rails 2022にゴールドスポンサーとして参加します!
当日はオンラインブースを設置します。EM・テックリードなどが参加予定です。
海外ファッションEC「BUYMA」の開発事情について・当日の発表についてなど、ざっくばらんにお話しできればと思います。